日本の麻雀の役には広く競技用で用いられる一般的な役から、一部の国や地域で採用される正規役ではな、いわゆるローカル役が数多く存在します。ここではそんなローカル役の中でも比較的認知度の高い1翻から6翻までのローカル役を紹介していきます。
麻雀のローカル役【1翻~6翻】-もくじ
1翻のローカル役
オープンリーチ
通常のリーチとは違い、リーチを宣言すると同時に手牌を公開して待ち牌を他家に晒すことで成立する1翻のローカル役となります。通常リーチと複合するので実質2翻以上が確定します。ちなみに公開する手牌は待ちが絡むテンパイ部分のみ場合
そして以下のように手牌全体を晒す2パターンがありますが、これはその場のルール決め次第となります。
オープンリーチを宣言されたら、他家は和了牌を打牌することはできません。稀なケースではありますが、待ち牌の全てが和了牌となりオープンリーチに放銃してしまうと、放銃者の役満払いとなります。
ちなみに、オープンリーチに対してリーチを宣言した場合やリーチ後にオープンリーチを宣言して放銃してしまった場合は、仮にオープンリーチに放銃してしまっても役満扱いにはならず、リーチ+オープンリーチの2翻として点数計算をすることになります。
槓振り(かんぶり)
暗槓・大明槓・小明槓に関わらず、カンを宣言した時の打牌が和了牌であれば成立する1飜のローカル役となります。
カンに関わる役としては、同じく1飜の槍槓(チャンカン)がありますが、槍槓は小明槓(加槓)を宣言した4枚目の牌が和了牌であれば成立する役となります。槓振りと違い、河に捨てた牌ではなく明刻を明槓にするための4枚目の牌が和了牌となります。
また、槍槓は小明槓の時のみ成立する役で、(暗槓・大明槓・小明槓)3種のカンに適用される槓振りとは、性質の異なる役となります。
燕返し(つばめがえし)
他家のリーチ宣言牌で和了すると成立する1翻のローカル役となります。
ただし、その取り決めは様々で「追っかけリーチの時だけ成立する」「燕返しは役ではなくドラ扱いにする」「メンゼンでないと成立しない」などグループによってバラつきがあります。
五心通貫(うーしんつうかん)
五心通貫は公式役である2飜の一気通貫をカンチャンの5()で和了すると成立する1飜のローカル役となります。例の牌姿は、待ち。
五心通貫は必ず2翻の一気通貫と複合します、そのためメンゼンであれば40符3翻(子5200点/親7700点)以上が確定する手役となります。
十二落抬(しーあるらおたい)
十二落抬は全ての面子を副露して雀頭の単騎待ちでロンあがりすると成立する1翻のローカル役となります。
定義は様々ですが、十二落抬は別名「他力本願」とも呼ばれ全ての手牌が他家の捨て牌が関わる必要があります。その為、他家の打牌に関係のない、暗槓が面子に含まれていたり和了牌をツモってしまうと、十二落抬は不成立となってしまいます。
金鶏独立(きんけいどくりつ)
金鶏独立は十二落抬同様に暗槓を除いた副露で裸単騎待ちとなりロンあがりをすると成立する1飜のローカル役となります。また、十二落抬と違い、金鶏独立は「鶏」の字が示す通り必ず裸単騎がでないと成立しません。
十二落抬は元々金鶏独立から派生した役と言われており、これらが複合するかしないかはその場の決め次第となります。
2翻のローカル役
三連刻(さんれんこー)
三連刻(さんれんこー)はその名の通り同種の連なる数牌で刻子を3つ揃えると成立する2翻のローカル役となります。刻子系の役となるので喰い下がりはしません。
役の性質上トイトイや三暗刻と複合しやすく、また3つの面子を同種の数牌にする必要があるので、チンイツやホンイツとも複合しやすい役と言えます。上位役には四連刻(すーれんこー)の役満があります。
三風刻(さんぷうこー)
三風刻はその名の通り3種の風牌を刻子にすると成立する2翻のローカル役となります。刻子系の役となるので喰い下がりはしません。
似たような役に客風三刻と言って、客風3種の刻子で成立する3翻のローカル役がありますが、客風三刻になっていない三風刻は必ず役牌が複合しているので、実質、客風三刻同様に3翻以上が確定している役とも言えます。
一色三順(イッショクサンジュン)
メンゼンで同じ順子を2つ揃えると成立する1翻の一盃口の上位役で、メンゼンで同じ順子を3つ揃えると成立する2翻のローカル役となります。一盃口とは違い喰い下がりが可能な役となり喰い下がりは1翻となります。上位役として同じローカル役の役満、一色四順があります。
メンゼンで一色三順を揃えると、牌姿が完全に同じローカル役である三連刻と一致しますが、順子系の一色三順と刻子系の三連刻は複合しない為、他の役の複合を考え点数の高い役を採用することになります。
例えば上の牌姿では、順子系の役で考えると「一色三順=2翻」「ジュンチャン=3翻」「ピンフ=1翻」で跳満の手ですが、刻子系の役で考えると三連刻の2翻のみの手となります。
次は三連刻を優先させるケースです。上の牌姿では、順子系の役で考えると、「一色三順=2翻」の2翻のみですが、刻子系の役で考えると「三連刻=2翻」「三暗刻=2翻」「トイトイ=2翻」と跳満の手となります。
連開花(れんかいほう)
連開花はカンを2回以上連続で行い、嶺上牌で和了すると成立する2翻のローカル役となります。嶺上開花の上位役となるため、連開花と嶺上開花が複合して3翻になることはありません。
鏡同和(きゃんどんほー)
2種類の数牌で同数の面子もしくは刻子をつくると成立する2翻のローカル役。喰い下がりで1翻を認めるかどうかはその場のルール決め次第となります。
似たような牌姿の役に5翻のローカル役、双竜争珠(しゃんろんちょんちゅ)がありますが、双竜争珠は雀頭を必ずピンズにする必要がある他、刻子が不可で順子のみで役を構成する必要があります。さらに同種の順子内に同じ数の数牌が含まれてはいけないなど、牌構成の難易度がかなり上がります。
二同刻(りゃんどーこー)
二同刻は鏡同和の刻子系の役で、条件としては2種類の数牌で同じ数の刻子を2つ作ることで成立する2翻のローカル役となります。二同刻は役の性質上必ずトイトイと複合するので実質4翻以上が確定している役とも言えます。また刻子系の役となるので、鏡同和とは違い副露しても喰い下がりはしません。
小タテ(しょーたて)
小タテは、3種の数牌の同じ数の牌で刻子を2つ、そして雀頭を1つ作ると成立する2翻のローカル役となります。刻子系の役なので喰い下がりはしません。役の形としては、三色同刻(サンショクドーコー)の小三元の牌姿と同様となります。
通常、小タテ(しょーたて)が採用されることが少ないので、三色同刻を2翻としていますが、下位役である小タテが2翻とすると上位役である三色同刻の2翻の辻褄が合わなくなるので小タテを採用する場合、三色同刻を3翻とすることがあります。
三色通貫(さんしょくつうかん)
三色通貫その名の通り、一気通貫を3種類(ワンズ・ピンズ・ソウズ)の数牌を使って構成する2飜のローカル役となります。喰い下がりは1飜となります。中国麻雀では、三色通貫のことを花竜(ふぁろん)と呼びます。
三色連刻(さんしょくれんこー)
三色連刻は3種の数牌で3連続する刻子や槓子を作れば成立する2翻のローカル役となります。明刻や明槓でも役は成立し、喰い下がりもしません。
上記の牌姿では、の暗刻、の暗刻、の明槓が三色連刻を確定させています。
頂三刻(ちょうさんこう)
頂三刻は同種の数牌で1・5・9の刻子を作れば成立する2翻のローカル役となります。刻子系の役となるので副露しても2翻と喰い下がりはしません。副露せずにツモあがりすると最低でも頂三刻2飜・三暗刻2翻の満貫以上が確定します。
跳牌刻(ちょうぱいこー)
跳牌刻は「跳」の文字が指し示す通り同種の数牌で1つ飛ばしの刻子【例-333・555・777等】、もしくは槓子を3面子作ると成立する2翻のローカル役となります。刻子系の役であるため喰い下がりは無く副露しても2翻のままとなります。
筋牌刻(すじぱいこー)
筋牌刻は同種の数牌で【1・4・7】や【2・5・8】また【3・6・9】などのスジとなる刻子、もしくは槓子を作ると成立する2翻のローカル役となります。刻子系の役となるため副露しても喰い下がりはしません。
3翻のローカル役
断紅和(たんふぉんほー)/混断紅(こんたんふぉん)
断紅和(たんふぉんほー)は文字の通り「紅(赤色)を断つ(使用しない)和了(あがり)」のことを指します。つまり使用可能な牌は、デザインに赤色が含まれていないとなります。
断紅和(たんふぉんほー)/混断紅(こんたんふぉん)を採用する場合、メンゼンでは3翻、喰い下がりは2翻として計算します。断紅和(たんふぉんほー)の上位役として字牌を使用しない清断紅(ちんたんふぉん)があります。
客風三刻(おたかぜさんこー)
客風三刻とはその名の通り役牌にならない3種の風牌を、刻子もしくは槓子にすることで成立する3翻のローカル役となります。役の性質上、この役をつくれるのは、自風と場風が重なるプレイヤーのみとなります。具体的には東場の東家、南場の南家、西場の西家、北場の北家となります。刻子系の役となるため、副露しても喰い下がりはしません。
牌姿が出来上がるタイミング次第では小四喜や大四喜も狙える手となります。
四字刻(すーつーこー)
四字刻はから4種の刻子と数牌の雀頭で成立する3飜のローカル役です。刻子系の役になるので副露しても3飜と食い下がりはしません。
役の性質上、必ずホンイツ(3飜/喰い下がり2飜)とトイトイ(2飜)、役牌(1飜以上)と複合するので、8飜の倍満以上が確定する役となります。本来であれば字牌のみの和了で成立する役満、字一色を狙う手ですが、和了牌が全て打牌されていたり、掴まされた牌が他家の危険牌だった場合の迂回路ともいえる役となっています。
三元七対子(さんげんちーといつ)
3種の三元牌を含んだ七対子形の和了で成立する3翻のローカル役。三元七対子は七対子の上位役となるので、七対子と複合はしません。
四喜七対子(すーしーちーといつ)
四喜の対子、、、つまりの風牌4種の対子が七対子に含まれると成立する3翻のローカル役。
七対子や三元七対子と同系統の役となるので、これらの役と複合はしません。
一気通貫全帯么九(いっきつうかんちゃんたいやおちゅう)
一気通貫全帯么九は一気通貫の456部分以外がチャンタになっていると成立する3飜のローカル役となります。喰い下がりは2飜となります。
4翻のローカル役
清盃口(ちんぺーこー)
清盃口は、一盃口・二盃口の上位役で、二盃口を構成する4面子の順子が全て同じ数列で和了すると成立する4翻のローカル役となります。公式の役、ローカルの役含めて数少ない4翻役となります。
純一気通貫全帯么九(じゅんいっきつうかんちゃんたいやおちゅう)
純一気通貫全帯么九は一気通貫を構成する456の部分を除けば、ジュンチャンになっていると成立する4飜のローカル役となります。喰い下がりは3飜。
5翻のローカル役
五門斉(うーめんさい)
五門斉は5種の麻雀牌つまり「マンズ」「ピンズ」「ソウズ」「風牌」「三元牌」の全ての牌種を使用した和了形を作ると成立するローカル役の5飜となります。
ただし、定義が非常に曖昧で、「雀頭は必ず字牌にしないといけない」だとか、「トイトイ系で役を成立されたら役満扱い」だとかグループによって取り決めは様々です。
真似満(まねまん)
真似満は上家の第一打牌から第五打牌まで、河に捨てられた牌が全て同じになると成立するローカル役の5飜となります。
真似する側、真似をされる側、どちらかの打牌に対して副露が入ると役は不成立になる場合が多いですが、ローカル役なので取り決めは様々です。
また、6~7巡目まで真似たら跳満、8~9巡目まで真似たら倍満、10巡目まで真似たら役満にするなど点数の取り決めについてもバラつきがあります。
その他にも真似満は対親にしかできない、つまり子が子を真似ても真似満は成立しないとするルールもあります。
五筒開花(うーぴんかいほう)
嶺上開花で和了した時に、その和了牌がであれば成立する5翻のローカル役。
が花柄に見えることからできた、現在ではほとんど採用されることのない古役となります。
二索槍槓(りゃんそーちゃんかん)
小明槓(加槓)によるチャンカンで和了する際、和了牌がであれば成立する5翻のローカル役。
が槍に見えることからできた役ですが、五筒開花同様に現在ではほとんど採用されることのないローカル役となります。
一筒摸月(いーぴんもーゆえ)
壁牌の最後の牌で和了すると成立する1翻の役「海底ツモ」。この海底ツモでの和了牌がであれば成立する5翻のローカル役。
を月に見立てた役となっています。
九筒撈魚(ちゅーぴんらおゆい)
河底撈魚(海底ロン)での和了牌がであれば成立する5翻のローカル役。
一筒摸月(いーぴんもーゆえ)と対をなすローカル役で、一筒摸月はを月に見立てた役にしているのに対して、九筒撈魚はを魚の群れに見立てた役となっています。
双竜争珠(しゃんろんちょんちゅ)
雀頭にピンズをそして、残りの4面子をソウズとワンズで同数の順子を2組つくり、なおかつ同種の順子内での数の重なりが無ければ成立する5翻のローカル役となります。
同種の順子内での数字の重なりとは、のような牌姿のことを指します。この牌姿では、が重なっていることになるので、このような牌姿の場合は、双竜争珠は不成立となります。
独釣寒江雪(とうちゃおはんちゃんしゅえ)
独釣寒江雪は暗槓以外で4面子を全て晒しでロンあがりをすると成立する5翻のローカル役となります。
下位の役には、1翻の「十二落抬」や「金鶏独立」があります。
6翻のローカル役
清断紅(ちんたんふぉん)
清断紅(ちんたんふぉん)は断紅和(たんふぉんほー)/混断紅(こんたんふぉん)から字牌を抜いた和了形となり、使用できる牌はとなり、「ありありルール」では必ずタンヤオと複合します。
清断紅は清一色同様にメンゼン6翻、喰い下がり5翻となります。メンゼンで揃える場合は、牌種がたったの7種と限られてしまうため、三暗刻と複合するケースが多くなる他、清断紅にはならずに、四暗刻になるケースもある。
単竜(たんろん)
単竜は2飜のローカル役である三色通貫を単騎待ちで和了すると成立する6飜のローカル役。三色通貫の上位役となるため、三色通貫とは複合しません。また、6飜は点数が高すぎるということで単竜を3飜や4翻としている場合もあります。
例の牌姿では、の単騎待ちとなっています。