上級者と麻雀をすると、なぜか上級者の捨て牌ではロンを宣言することができない!!なんて経験をされたことが少なからずあると思います。麻雀は運用素を多分に含むゲームなので、偶然・・・・なんてことも時にはありますが、上級者の放銃率(振り込み率)が低いのには、振り込まないための【知識】や【経験】があるからです。ここでは、そんな【知識】の中の一つ【スジ牌から危険牌を読む】方法を詳しく見ていきたいと思います。

スジ牌から危険牌を読むもくじ

危険牌とは?

その名の通り危険牌とは「打牌すると放銃(ロンされて)してしまう可能性が高い牌」の事を指します。麻雀は4人でするゲームなのでよほどの実力差がないとあがれることよりも、あがれないことの方が多いゲームとなります。麻雀で勝率をUPさせるためには、放銃する可能性の高い危険牌を予測しいかに振り込みを減らすかが重要になってきます。

本編から少し話がズレてしまいますが、振り込み回避は重要な麻雀スキルですが、守ってばかりいても麻雀は勝てません。麻雀は合計得点を競うゲームです。自分の手役が良い場合は積極的に攻めるようにしましょう。

スジ牌のおさらい

では詳しく見ていきたいと思います。まずはスジ牌の復習から。
スジとはリャンメン待ちで構えるための3つ飛ばしの数牌のことを指します。

147ワン
258ワン
369ワン

上の牌姿を見ていただけるとわかりやすいと思いますが

14ワン(イー・スー)47ワン(スー・チー)
25ワン(リャン・ウー)(ウー・パー)
36ワン(サブ・ロー)69ワン(ロー・キュウ)

の計6つが基本のスジとなります。麻雀の待ちは【リャンメン待ち】【ペンチャン待ち】【カンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】といろいろな待ちがありますが、中でもリャンメン待ちは、(リャンメン)ターツが作りやすく、さらに和了牌が待ちの中で8枚と最も多いため麻雀で効率的に上がるための基本戦術となっています。そのため、攻撃するにも、守備をするにもスジを理解するのは非常に重要になってきます。

裏スジ全9種類

詳しく解説を始める前に全9種類の裏スジの紹介です。

捨て牌 裏スジ(危険牌)
1ワン を打牌した時の 25ワン
2ワン を打牌した時の 36ワン
3ワン を打牌した時の 47ワン
4ワン を打牌した時の 58ワン
5ワン を打牌した時の 14ワン
69ワン
6ワン を打牌した時の 25ワン
7ワン を打牌した時の 36ワン
8ワン を打牌した時の 47ワン
9ワン を打牌した時の 58ワン

裏スジを眺めているとすぐに気づくことができると思いますが、裏スジはスジのすぐ隣のスジになりますね。暗記しようとすると大変なので、裏スジは捨て牌の1つ横にズレたスジと覚えておきましょう。

裏スジが危険牌になるのは何故?

裏スジが危険牌になる可能性があるのは以下のような理由からです。

裏スジ

上の牌姿はテンパイ手前のイーシャンテン状態です。ここに2ピンをツモった場合、どの牌を捨てますか?その時の点数やドラ表示牌、テンパイした巡目、他家の手役の進み具合、条件はいろいろとありますが、とりあえず最速で和了(あがり)を目指すなら捨て牌は6ワンとなるはずです。

するとどうでしょう。
待ちは25ワンの待ちとなりました。上で紹介した9種の裏スジの内の1つに該当していますね。

捨て牌 裏スジ(危険牌)
6ワン を打牌した時の 25ワン

もう一つ例を上げてみます。

裏スジ2

上の牌姿は4ワンカンチャン待ちのテンパイ状態の牌姿です。このまま4ワンをツモるとそのまま和了(あがり)ですが、ここに2ワンを引いてきた場合、5ワンを切り捨てることで、【裏スジ】14ワンで構えることができます。

また、6ワンを引いてきたら、3ワンを切り捨て、【裏スジ】47ワンで構えることができます。

上で紹介した9種の裏スジの中の

捨て牌 裏スジ(危険牌)
3ワン を打牌した時の 47ワン
5ワン を打牌した時の 14ワン
69ワン

に該当するのがわかると思います。あくまでリャンメン待ちを想定した考えになりますが、不要を切り捨てていった結果捨て牌のすぐ横のスジ、つまり裏スジが危険牌になる可能性があるのあです。

?裏スジは本当に危険なの?

タイトルの通り「裏スジは本当に危険なの?」と、あなたがもし裏スジについての知識がなかったのにもかかわらずそう感じたらなら、あなたはかなり鋭い麻雀センスを持っています。この9つの裏スジは少し都合のいい考え方をしているのです。先ほど例で紹介した牌姿ですが、どちらも要の数牌が歯抜けになって1つ飛ばしになっている状態です。

麻雀は136枚の牌を使用してや手役を作っていくゲームなので、そう都合よくカンチャン状態になっている訳ではありませんし、和了牌になっていない場合も多々あります。

裏スジは危険牌ではない

例えば上の牌姿では、2ワンが完全に孤立牌になっていて、打牌の有力候補となるわけですが、仮に2ワンが切り捨てられてもその裏スジにあたる、36ワンは和了牌と全く関係ありません。

そもそも麻雀は手役をつくる過程で、河には大量の捨て牌が並びます。全ての捨て牌の裏スジを追っかけていると打牌できる牌がみるみる無くなり身動きがとれなくなります。ですので、裏スジを読む場合は、裏スジ以外の情報が全くないような状態で捨て牌に悩んだ場合、【捨て牌の候補から裏スジ牌は除外する】といった程度に留めることをおススメします。

間4軒(アイダヨンケン)は裏スジよりも危険

次に裏スジよりは危険度が高い間4軒の紹介です。間4軒は全部で4種類です。

捨て牌 間4軒(危険牌)
1ワン と 6ワン を打牌した時の 25ワン
2ワン と 7ワン を打牌した時の 36ワン
3ワン と 8ワン を打牌した時の 47ワン
4ワン と 9ワン を打牌した時の 58ワン

裏スジの時は1つの捨て牌で2つの危険牌を推察していましたが間4軒は2つの捨て牌で2つの危険牌を推察していきます。

なぜ間4軒は裏スジよりも危険なのか?

結論を先に行ってしまうと、裏スジが2つ重なったスジなので、間4軒は裏スジよりも危険になりやすいスジと言えます。具体例をあげてみます。

間4軒

上の牌姿では、もともとが手牌に入っていたのですが、ピンズやワンズに有効牌が入ってきて優先度の低くなった4ソウ9ソウが切り出されています。

裏スジのおさらいになりますが、

+

5ソウ8ソウでしたね。

+

4ソウの時と同様に5ソウ8ソウとなります。

このように捨て牌から共通の裏スジがでる裏スジを間4軒といい、裏スジが複合している分通常の裏スジよりも注意する必要あります。ただし、裏スジの時にも少し触れているように、孤立牌が偶然4ソウ9ソウだったり、手役を進めていくうちに偶然間4軒の形になってしまう場合も十分あり得ます。裏スジ同様に過度に神経質になる必要はありませんが、捨て牌候補の情報が全くないような場合は、「間4軒は捨て牌候補から除外する(打牌しない)」ようにすると良いでしょう。

捨て牌をまたぐ【またぎスジ】

またぎスジはその名の通り、他家が捨てた牌をまたぐスジのことで、裏スジ同様に危険牌を予測するときに使用するスジです。
物理的に19の端牌はまたぐことができないので、またぎスジは2~8までの数牌で全部で7種類存在します。

またぎスジ全7種類

メカニズムを紹介する前に、全7種のまたぎスジを紹介しておきます。

捨て牌 またぎスジ(危険牌)
2ワン を打牌した時の 14ワン
3ワン を打牌した時の 14ワン
25ワン
4ワン を打牌した時の 25ワン
36ワン
5ワン を打牌した時の 36ワン
47ワン
6ワン を打牌した時の 47ワン
58ワン
7ワン を打牌した時の 58ワン
69ワン
8ワン を打牌した時の 69ワン

このように捨て牌を【またぐ】全てのスジがまたぎスジとなります。ほぼ1枚の捨て牌につき4枚の危険牌が生まれることになります・・・それこそまたぎスジを追っかけると現物か字牌くらいしか捨てれなくなってしまいますね・・・・。この辺は後程解説していきます。

なぜまたぎスジが危険牌になる?

では【またぎスジ】がなぜ危険になりえるのか詳しくみていきましょう。

またぎスジ

上の牌姿は、有効牌があと一つ入ればテンパイになるイーシャンテン状態です。ここに、147ワンいづれかの牌をツモってきたらなにを切り出しますか?テンパイに構えるためには以下の2パターンが考えられます。

一つは、6ソウを切り出して、7ソウ8ワンのシャンポン待ちです。見えていない和了牌は7ソウ8ワン各2枚の計4枚。

そしてもう一つは、7ソウ切りの58ソウのリャンメン待ちです。見えていない和了牌は58ソウ各4枚の計8枚。

当然最速で上がりに向かうためには和了牌がシャンポン待ちの4枚の倍もあるリャンメン待ちの後者が正解になりますね。7ソウを切り捨て、58ソウ待ち・・・・

捨て牌 またぎスジ(危険牌)
7ワン を打牌した時の 58ワン
69ワン

見事に7ソウをまたいだスジ、【またぎスジ】になっていますね。

序盤・中盤の【裏スジ】/中盤・終盤の【またぎスジ】

裏スジから危険牌を推察する際の目安にしてほしいのが、序盤・中盤の【裏スジ】、そして中盤・終盤の【またぎスジ】です。

序盤の裏スジ終盤のまたぎス

例えば上の牌姿で6ソウをツモってきました。捨て牌の候補としては、面子になっていない、356ピン3ピン223ワン2ワンになってくると思います。

どちらを切り捨ててもイーシャンテンなのですが、受け入れの数、つまりテンパイのなりやすさが違ってきます。仮にここで3ピンを切り捨てたとしましょう。テンパイさせるために必要な牌は、4ピン7ピン2ワン1ワン4ワン西の6種類となります。

逆に、2ワンを切り捨てた場合は4ピン7ピン1ワン4ワンの4種類となります。

つまり、牌効率を考えるなら優先的に切り出されるのは裏スジになりうる356ピン3ピンそして、その後にまたぎスジになりうる223ワン2ワンとなる訳です。これが、序盤・中盤の裏スジ、そして中盤・終盤のまたぎスジに注意する理由となります。

ただし、その場の状況でセオリー通りにはいかない場合が多いのが麻雀です。例えば、牌姿では3ピンがドラ牌になっています。このような場合多少牌効率が悪くても、点数を上げるために3ピンを抱え込むケースも十分にありえます。また、受け入れの広い223ワンこの形は終盤まで手牌組み込まれている場合ももちろんありますが、そもそも手牌に【またぎスジ】になるこの形が無い場合や、切り出し方によっては、終盤まで裏スジが当たり牌になっているケースも十分にありえます。

序盤・中盤の【裏スジ】/中盤・終盤の【またぎスジ】を過信しすぎずに、その場の状況を読む判断力が重要になってきますが、麻雀のセオリーとして覚えておくと良いでしょう。

裏スジを追っかけたら危険牌だらけに・・・

以上が裏スジから危険牌を予測する基本的な方法となります。ただ、なんどか触れていますが裏スジを追っかけすぎる、危険牌だらけで身動きがとれなくなります。例えば、他家がど真ん中の5ピンを打牌したとしましょう。おさらいです。

+

69ピンの計4種類でしたね。

次は同じく、5ピンの【またぎスジ】のおさらいです。

+

36ピン47ピンの計4種類です。

4ピン6ピンは【裏スジ】と【またぎスジ】のどちらのスジにも重なりますが、それでも1つの捨て牌で6種の危険牌候補が生まれてしまいました。

当たり前ですが、局が進行するにつれて、河には捨て牌が増えていきます。1つの数牌で捨て牌で複数の危険牌候補が生まれてしまうと、局序盤に現物以外の数牌のほとんどが危険牌候補になってしまいます。分かりやすいように、捨て牌と裏スジに色を付けて見ます。

裏スジとまたぎスジまとめ

捨て牌に対する裏スジ・またぎスジの合計は5ピン6種類と最も多く、次に3ピン4ピン6ピン7ピンがそれぞれ5種2ピン8ピン各4種、そして、1ピン9ピンがそれぞれ2種となります。

河に打牌された数牌が増えると危険牌候補ばかりになるのは容易に想像できると思います。危険牌を避けて打牌していくのには優先順序があり、裏スジは不確定要素が多いため、優先度はかなり低いです。この辺りは別記事で詳しく解説しています。

場に捨てられた牌やその牌が切り捨てられたタイミング・自分の手牌、副露された牌やドラ牌など、全体的な情報を考慮した上で裏スジを活用していくと良いでしょう。

ソバテンに注意が必要?

ソバテンとは、テンパイもしくはリーチの宣言牌の数牌の近くの数牌が和了牌になっている状態のことを言います。具体的に言うと、4ワンでリーチをしたら、2ワン3ワン5ワン6ワンに要注意。7ソウの打牌でリーチを宣言したら、5ソウ6ソウ8ソウ9ソウに注意が必要ということになります。

実は、ソバテンというのは、【裏スジ】と【またぎスジ】、これらの危険牌候補をまとめたものです。

ソバテン

上の牌姿は捨て牌と裏スジの関係を表しているのですが、見ての通り捨て牌のソバに危険牌候補が集中していることがわかります。これが切り捨てられた周りの数牌(ソバテン)が危険とされる理由です。危険度で言うと、捨て牌の1つ隣で【裏スジ】と【またぎスジ】が複合している部分がかなり危険ということになります。

ただし、くどいようですが裏スジだけで危険牌を推察するのはかなり困難です。裏スジだけを追うようなら、その危険度は無スジと変わらないとまで言われています。自身の手牌や他家の捨て牌など、場の状況全体を見渡した上で裏スジを活用していくようにしましょう。