前回、【スジ牌から安全牌を読む】ではスジとカベの基本からリャンメン待ちで構えるテンパイ者から安全牌を読む方法を紹介しました。ここでは、壁スジの応用でさらにその先の安全牌を読む方法紹介していきます。
【壁スジの応用とその守備力】もくじ
壁スジのおさらい
壁スジは自分の手牌にある同種同数の2~8の数牌と、場に晒された2~8の数牌の合計が4枚になるとことで機能する安全牌を予測する守備方法となります。
例えば、自分の手牌にが2枚。そして他家から合計2枚のが河に捨てられているとします。この時点では4枚共に使用されていて、なおかつを使用できるのは自分自身のみ。他家は和了牌にを絡めることができないことがわかると思います。
ここから読めるのはやを和了牌としたリャンメン待ちは絶対にあり得ないということです。
をリャンメン待ちで構えようとすると、の形にする必要がありますが、すでにが死んでいるのでこの形で構えることができません。
続いて、についてですが、をリャンメン待ちで構えようとすると、の形にする必要がありますが、先程と同じ理由ですでにが4枚とも死んでいるのでこの形で構えることができません。そのため、とはリャンメン待ちで構えることができない比較的安全な牌と言えます。
これをまとめると、下記のようになります。
以前【壁(カベ/ノーチャンス)】でも紹介しているので、よければそちらの記事も読んでいただけたらと思います。
ワンチャンス【カベにならないカベ】
自分自身の手牌と場に晒された2~8の数牌で同種・同数の牌が4枚見えていれば、その牌がカベ牌となりそこからカベスジの牌が見えてきます。カベスジの牌でのリャンメン待ちは絶対にできないので、リャンメン待ちに対してのチャンスが無いということで壁の事をノーチャンスと言います。
これに対してワンチャンスは自分自身の手牌と場に晒された2~8の数牌で同種・同数の牌が3枚見えている時のことを言います。
同種・同数の牌が4枚見えている壁と比べると守備力は落ちます。ただし、必ずしもテンパイ者が4枚目のカベ牌を所有しているわけではありません。むしろ麻雀は4人で遊ぶゲームなので、所有していない可能性の方が高いです。さらに言うと、王牌に隠れ、絶対にツモれない場所に配置されている可能性もあります。
壁スジやその他のスジ牌が見つからないのであれば、ワンチャンスを探ってみると良いでしょう。ワンチャンスは手牌にチュンチャンパイの暗刻があるだけで確定しますし、誰かがチュンチャンパイをポンと一鳴きするだけでもできます。また自分自身に対子があれば局の序盤からでも十分ワンチャンスを見つけることができる可能性があります。
ダブルワンチャンス
その名の通りワンチャンスが二つ重なる箇所の事を言い、ノーチャンスと比べると守備力が少し落ちますが、かなりの高確率でリャンメン待ちを防ぐことができます。さらに同種・同数の4枚のチュンチャンパイが見えている壁の時には読むことができなかった、【単騎待ち】や【シャンポン待ち】も読むことができる部分もあるので詳しく見ていきましょう。
ダブルワンチャンス.1
のカベスジはですが、が3枚しか見えていない場合はワンチャンスとなりのリャンメン待ちの可能性が少し残ります。
ですがここにさらに、のワンチャンスが加わることでダブルワンチャンスとなり、のリャンメン待ちの可能性がかなり低くなります。
これは、麻雀は4人で遊ぶゲームなので、のリャンメン待ちに必要な、場に見えていない残り各1枚づつのとを一人のテンパイ者がが都合よく所持している可能性はかなり低いというところから来ています。
さらにのワンチャンスとなるは、すでに3枚見えているので、の【単騎待ち】や【シャンポンん待ち】の可能性も潰しています。
ダブルワンチャンス.2
先程と同じ理屈でとの共通のワンチャンス牌であるは、ダブルワンチャンス牌となりリャンメン待ちの可能性はかなり低くなります。はワンチャンス牌となり、はワンチャンス牌であると同時にすでに場に3枚のが見えているので、【単騎待ち】や【シャンポンん待ち】ができない守備力の高い牌となります。
ダブルワンチャンス.3
とが各3枚見えている場合は、共通のワンチャンス牌であるのリャンメン待ちの可能性がかなり低くなります。
はのみのワンチャンス牌となるため、多少危険ですが、他に安全牌を予測する情報が全くないようなら捨て牌の候補に入れて良いでしょう。
ここで注意しておきたいのが、です。は位置的にカベスジ牌にはなりません。具体的にいうと他家がの形で構えている可能性があるので注意が必要です。
ただし、すでに3枚場に見えていることで、【単騎待ち】や【シャンポン待ち】の可能性はありません。
ダブルワンチャンス.4
ここからは、数字が反転するだけです。とが各3枚見えている時は、共通のワンチャンスでダブルワンチャンスの牌となる、はリャンメン待ちの可能性がかなり低く、安全牌である可能性があります。そしてはから見た時のワンチャンスの牌となります。
先ほどの【ダブルワンチャンス.3】でも少し触れましたが、チュンチャンパイのど真ん中の3つの牌、つまりととには、位置的にカベスジの牌にはなりません。そのため、はすでに3枚見えているので、【単騎待ち】や【シャンポン待ち】の可能性はありませんが、リャンメン待ちの可能性があるため、切り出す場合は注意が必要となります。
ダブルワンチャンス.5
とが各3枚見えている時は共通のワンチャンス牌のがダブルワンチャンスの牌となり他家がリャンメン待ちで待っている可能性かなり低くなります。
はのワンチャンスの牌となりリャンメン待ちの可能性がありやや危険。も同じくのワンチャンスの牌となりますが、はすでに3枚見えているので【単騎待ち】【シャンポン待ち】の可能性が無く、と比較すると守備力の高い牌と言えます。
ダブルワンチャンス.6
とが各3枚見えている時は、共通のワンチャンス牌となるがダブルワンチャンス牌となり、他家がリャンメン待ちで構えている可能性がかなり低くなります。
はのワンチャンス牌であると共に、すでに3枚見えているので、【単価待ち】【シャンポン待ち】の可能性がゼロなので、通常のワンチャンスの牌より防御力の高い牌と言えます。
ダブルノーチャンス
ダブルノーチャンスは、その名の通り同じ種類の数牌で壁が中一つ飛ばし、もしくは中二つ飛ばしで機能する壁のことで、壁ができる場所によって一種類の数牌の全てのリャンメン待ちの可能性が極端に低くなります。例えば以下の牌姿です。
今までのおさらいになりますが、まずが4枚全て見えているので、との搭子を作ることができません。結果とを和了牌とするリャンメン待ちの可能性がなくなります。さらに、については、すでにが死んでいるのでカンチャン待ちもできない状況ですね。
次にのカベについてですが、が4枚見えていることでリャンメン待ちでを必ず必要とする、とのリャンメン待ちを防ぐとともに、については、が死んでいるので、カンチャン待ちもできない状況です。
さらに、さらに!との壁が同時に出来たことで間に挟まれているとのリャンメン待ちとカンチャン待ちも防ぎます。
今回の牌姿の場合、以外の全てのリャンメン待ちの可能性が断たれていることになります。
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壁と捨て牌の複合で防げるリャンメン待ち
次は、壁と通常のスジで安全牌を予測する方法を紹介していきます。初めに注意しておきたいのが、壁はプレイヤー全員に共通したスジ読みになりますが、壁と捨て牌の複合での読みはスジ牌を打牌したプレイヤーのみに有効となるスジ読みとなります。まずは一覧を紹介。
では詳しく見ていきたいと思います。
2ソウのカベで7ソウの捨て牌がある場合
上の牌姿はが既に4枚見えている時に他家がを打牌した場合、を打牌したプレイヤーはをリャンメン待ちで構えることができないことを示しています。
通常からのスジ読みをするなら、の待ちも警戒する必要がありますが、既にが4枚とも死んでいる為の搭子が作れません。そのため、の待ちはありえません。結果のリャンメン待ちの可能性が完全になくなっています。
3ソウのカベで78ソウの捨て牌がある場合
上の牌姿はのカベができている場合で、とが打牌されていると、それを打牌したプレイヤーはとのリャンメン待ちができないことを示しています。
通常、の打牌があれば、のリャンメン待ちの可能性を、が打牌されたらの待ちも警戒する必要がありますが、が4枚とも死んでいるため、の搭子そして、の搭子ができません。そのため、やのリャンメン待ちの可能性が消えています。
4ソウのカベで89ソウの捨て牌がある場合
上の牌姿はのカベができている時にとの打牌があれば、これらを打牌したプレイヤーはとでリャンメン待ちができないことを示しています。
通常スジ牌を読む場合、の打牌があれば、の待ちを、の打牌があれば、の待ちも警戒する必要がありますが、どちらのリャンメン待ちにも必要とされるが4枚とも死んでいる為、その可能性を潰しています。
その結果、の打牌でのリャンメン待ちを、そして、の打牌でのリャンメン待ちの可能性が無くなります。
5ソウのカベで19ソウの捨て牌がある場合
上の牌姿はのカベが出来ている時にとの打牌があれば、これらを打牌したプレイヤーはとでリャンメン待ちができないことを示しています。
通常スジを追う場合の打牌があれば、の待ちを、そしての打牌があれば、の待ちも警戒する必要がありますが、これらの待ちに必要なが4枚とも死んでいるためその可能性を潰しています。結果、とのリャンメン待ちができなくなっています。
6ソウのカベで12ソウの捨て牌がある場合
ここからは、数字が逆転するだけで内容は上記と同じとなります。
上の牌姿はのカベが出来ている時にを打牌した場合、これらを打牌したプレイヤーはとでリャンメン待ちができないことを示しています。
のスジ牌はになりますが、の待ちに必要ながすでに枯れています。
また、のスジ牌はになりますが、同様にの待ちを構えるためのがすでに枯れている為これらの待ちの可能性はありえません。そのため、の捨て牌での、の捨て牌でのリャンメン待ちができなくなっています。
7ソウのカベで23ソウの捨て牌がある場合
上の牌姿は、が壁になっている時に、の捨て牌があれば、で、そしての捨て牌があれば、でリャンメン待ちができないことを示しています。
通常、のスジを追うなら、も警戒する必要があります。また、の打牌があった場合はの待ちも警戒する必要があります。ですが、の待ち、そしてのリャンメン待ちに必要なが4枚共に死んでいるのでリャンメン待ちを構えることができません。
そのため、を打牌したプレイヤーはで、そしてを打牌したプレイヤーはでリャンメン待ちを構えることができません。
8ソウのカベで3ソウの捨て牌がある場合
上の牌姿はの壁がある時にを打牌したプレイヤーはでのリャンメン待ちができないことを示しています。
通常の捨て牌があったとしても、のリャンメン待ちがあるため、は迂闊に切り出すことはできません。
しかしのカベが出来上がっていることでの待ちはできなくなっています。そのため、を打牌したプレイヤーはでのリャンメン待ちの可能性が無くなっています。
まとめ
このように、1つカベができれば、その応用で様々な安全牌の可能性のあるスジ牌を見つけることができるので、自分の手牌と河をよく観察して3~4枚見えているチュンチャンパイを見つけてみてください。きっと麻雀の守備力がUPするはずです。
ただし、くどいようですがスジ読みはリャンメン待ちに対応した安全牌予測方法となります。一部のカベやカベの複合等で【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】を防げる場合もありますが、予測しきれない場合がほとんどです。特に終盤になって1枚も出ていない牌があれば、それはスジ牌であっても危険牌の場合が多く注意が必要です。