麻雀の役は1飜~6飜、そして役満があります。そしてこれらの役は基本的に複合します。ただし、【上下関係のある役】や【面子の構成が変化してしまう役】などは複合しない決まりがあり、その場合、採用する得点にも取り決めがあります。
「役だけでも覚えるのが大変なのに、役が複合する・複合しないなんて覚えれない!!」となりそうですが、役さえ覚えることができていれば、それほど難しい内容ではないので、じっくり見ていきましょう。
複合する役と、複合しない役-もくじ
麻雀の役の複合
基本的に麻雀は、局を繰り返し行い、半荘終了時点で一番点数の高いプレイヤーが勝利者となります。そしてこの点数を決めるのが【符点】と【飜数】です。そして【飜数】=【複合する役の合計+ドラ牌の合計】となります。
例えば上の牌姿だと、【リーチ】【ピンフ】【タンヤオ】【ドラ1枚】となっています。【リーチ】【ピンフ】【タンヤオ】はそれぞれが1飜の役で複合するので計3飜、そしてドラ牌は1枚につき1飜で計算するので合計で飜数は4飜ということになります。
麻雀の基本はこのように1飜や2飜の小さい役の複合で高得点を狙っていきます。もちろん火力が非常に高いレアな役もたくさんありますが、その出現率は0.1%未満となっており、レアな役だけを狙っていると麻雀はまず勝つことはできません。高得点を出す軸となるのは小さい役の複合であるということを覚えておきましょう。
複合しない役の2種類条件
先ほどから、麻雀の役には【複合する役】と【複合しない役】の2種類存在するとお伝えしていますが、【複合する役】は覚える必要はありません。というより基本的に複合するので、複合するものを覚えるのは大変です。逆に【複合しない役】の方が少ないので【複合しない役】を覚えてそれ以外は複合すると覚えておくと良いでしょう。
そしてこの【複合しない役】は大きく【上下関係にある役】と【面子の構成が変化してしまう役】の2種類に大別されます。
上下関係にある役は複合しない
麻雀の役には上下関係のある役が存在します。簡単に言ってしまうと、上位の役が成立すると自動的に下位の役が成立してしまう役のことです。具体的な役の例でいうと、【2翻のダブルリーチと1翻のリーチ】や【役満の大三元や2翻(必ず役牌が2種入るため実質4翻)の小三元】等があげられあます。
2翻のダブルリーチを宣言した時点で、当然1翻である通常のリーチと重複しますが、2つの役は上下関係にあたるため複合して3翻になったりはしません。また、大三元を上がった時に「ロン!!小三元、大三元!!」なんていいませんよね。このような複合しない上下関係にある2つの役が存在する場合、必ず翻数の高い役のみが採用されることになります。つまり、2翻のダブルリーチと1翻のリーチの重複は2翻のダブルリーチのみが、大三元と小三元の場合は大三元の役満のみが採用されることになります。
ちなみに役満を除くと上下関係にある役は以下の5種類となります。
リーチとダブルリーチは複合しない
立直(リーチ) | 1飜 |
---|---|
ダブル立直(ダブルリーチ) | 2飜 |
リーチはメンゼン(副露しない/鳴かない)でテンパイした場合1000点の供託とリーチの宣言で付く1飜の役となります。
リーチは宣言すると、副産物として1飜の一発や和了した時の裏ドラ表示牌開示の権利を得られる、麻雀の攻めの基本中の基本になります。 ダブルリーチの成立条件は【通常のリーチの条件】+【親は配牌時にテンパイ/子は第一ツモでテンパイ】する必要があります。※立直を宣言する前に副露が入ってしまうとダブルリーチは認められず、通常リーチとなります。 ダブルリーチはリーチの上位役となり複合はしないので、この場合ダブルリーチの2飜のみが採用されることになります。もちろん、ダブルリーチも一発や和了した時の裏ドラ表示の権利は得られます。 |
一盃口と二盃口は複合しない
一盃口(イーペーコー) | 1飜 |
---|---|
二盃口(リャンペーコー) | 3飜 |
一盃口は手牌に同種・同数の順子が2つ入っていることで成立するメンゼン役となります。メンゼン役となるため副露すると一盃口は消失します。
上の牌姿では、の部分が一盃口を確定させています。そして、一盃口が手牌に2つ組み込まれている役が一盃口の上位役で二盃口となります。 二盃口は一盃口と比べ格段に出現率が低く2翻ではなく3翻扱いとなります。また、一盃口と同様にメンゼン役であるため食い下がりは無く副露すると0翻となります。当然二盃口は一盃口の上位役となるため、これらの二つの役は複合せず、必ず翻数の高い二盃口のみが採用されることになります。 二盃口は役の性質上必ず七対子の形になりますが、七対子とは複合しません。この辺りは後述で詳しく紹介していきます。 |
混一色(ホンイツ・ホンイソー)と清一色(チンイツ・チンイーソー)は複合しない
混一色(ホンイツ・ホンイソー) | 3飜 |
---|---|
清一色(チンイツ・チンイーソー) | 6飜 |
ホンイツは【1種類の数牌+字牌】のみで構成される3翻の役となります。単体で3翻になるのは、このホンイツと二盃口そして、ジュンチャンの3種のみとなります。二盃口とは違いメンゼン役ではないため、副露すると喰い下がりとなり3翻⇒2翻となります。
そして、字牌を使用しないホンイツ、つまり【1種類の数牌】のみで構成される役が、ホンイツの上位役であるチンイツとなります。チンイツは役満を除くと最も翻数の高い役で6翻。メンゼン役ではないので、副露しても成立します。その際喰い下がりで6翻⇒5翻となります。 ホンイツとチンイツは上下関係にあるため複合はせず、チンイツのみが採用されます。仮に複合すると9翻となり、リーチやその他の役、ドラが絡むと数え役満も射程圏内と恐ろしい火力の役になってしまいます。 |
混全帯么九(チャンタ)と純全帯么九(ジュンチャン)は複合しない
混全帯么九(チャンタ・ジュンチャンタイヤオチュー) | 2飜 |
---|---|
純全帯么九(ジュンチャン・ジュンチャンタイヤオチュー) | 3飜 |
チャンタは基本の和了形である4面子1雀頭の全てにヤオチューハイ(19字牌)が含まれた2飜の役となります。必然的に使用できる順子は「123」もしくは「789」の2種類となります。メンゼン役ではないので、1飜の食い下がりになりますが、副露してもあがることが可能です。
そして、チャンタの上位役となるのがジュンチャンです。ジュンチャンはチャンタでは使用できた字牌を使用しない役で飜数は3飜となります。つまり使用できる牌は順子の「123」のみとなります。こちらも、メンゼン役ではないので、副露してもあがることができます。副露した場合は喰い下がりで飜数が3飜⇒2飜となります。 チャンタとジュンチャンも字牌が使用されているかどうかの上下関係にある役なので複合することはありません。ジュンチャンで和了した場合はジュンチャンの3飜のみが採用されることになります。 |
混全帯么九(チャンタ)と混老頭(ホンロウトウ)は複合しない
混全帯么九(チャンタ・ジュンチャンタイヤオチュー) | 2飜 |
---|---|
混老頭(ホンロウトウ) | 2飜 |
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|
上記でチャンタとジュンチャンは上下関係にある役と説明しましたが、チャンタにはもう一つ上位役があります。それが2飜の混老頭です。チャンタは「123」や「789」の順子を使用することができましたが、混老頭は使用する全ての牌構成(面子+雀頭)が19字牌である必要があります。つまり必ず和了の形はトイトイか七対子の形になります。また、ホンロウトウは刻子系の役になるため副露しても2飜のままで和了、つまり鳴いても喰い下がりせずにあがることができます。
混老頭はチャンタと同じ2飜ですがチャンタの上位役となります。当然チャンタとは複合はしません。出現率が圧倒的に低い混老頭がチャンタと同じ2飜なのには理由があります。それは先程も少し触れましたが、混老頭は和了の形がトイトイの形、もしくは七対子の形とななるからです。 つまり、混老頭で和了するということは、最低でもトイトイの2飜、もしくは七対子の2飜が加算され実質4飜以上の役が確定することになるのです。 |
面子の構成が変化してしまう役は複合しない
上下関係のある役の他にも、面子の構成が変化してしまう役も複合しません。具体的に言うと、見方によっては【順子系の役】にも【刻子系や対子系の役】にもとれる牌姿の役です。もしそのような牌姿になったら、必ず翻数が高い役が採用されることになります。では具体的に見ていきます。
二盃口(リャンペーコー)と七対子(チートイツ)は複合しない
順子で見ると二盃口ですが・・・ | 3飜 |
---|---|
対子に分けると七対子 | 2飜 |
上の全く同じ牌姿は見方によっては、二盃口にも七対子にも見れる牌姿ですが、順子系の役である二盃口の3飜と対子系の役である七対子の2飜が複合して5飜になることはありません。
この場合、飜数の高い二盃口の3飜だけが採用されることになります。 |
純全帯么九(ジュンチャン・ジュンチャンタイヤオチュー)と三暗刻(サンアンコウ)は複合しない
順子で見るとジュンチャンですが・・・ | 3飜 |
---|---|
刻子に分けると三暗刻 | 2飜 |
上の全く同じ牌姿は見方によっては、ジュンチャンにも三暗刻にもとれる牌姿ですが、順子系の役である3飜のジュンチャンと刻子系の役である2飜の三暗刻が複合することはありません。この場合、麻雀の高得点法で飜数の高い3飜のジュンチャンが採用されることになります。 |
ゲリラ練習問題
では、上記の牌姿、ツモ上がりした時の【順子系に見た場合】と【刻子系に見た場合】の親の点数はそれぞれいくらでしょうか?答えは下の牌姿をクリックORタップすると表示されます。
6000点オール
翻数 | ツモ(1飜) ピンフ(1飜) 一盃口(1飜) ジュンチャン(3飜) | 6翻 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
0符 |
牌の組み合わせ | 無し | 0符 |
待ちの形 | リャンメン待ち | 0符 |
答え.6翻20符 18000点(6000点オール) |
2600点オール
翻数 | ツモ(1飜) 三暗刻(2飜) | 3翻 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
2符 |
牌の組み合わせ | 8符 4符 4符 |
16符 |
待ちの形 | リャンメン待ち | 0符 |
答え.3翻40符 7700点(2600点オール) |
二盃口(リャンペーコー)と三槓子(サンカンツ)の形は複合しない
少しややこしい牌姿になるので整理してじっくり見ていきます。
まず大前提として、槓子とは副露して初めて面子として機能します。具体的には上のような牌姿です。槓子が3つできているので三槓子は成立します。ここで晒された牌がが4つのように二盃口の形になっていれば二盃口は成立するのか?答えはNOですね。
副露した時点では槓子として固定されてしまうので例え暗槓であっても順子扱いにはできません。さらに言うと、仮に槓子を順子扱いできるとした場合であっても、面子構成が変化してしまう役は複合しないという大前提があるので、どちらにしても、二盃口と三槓子は複合しません。
では、副露していない上記のような牌姿はどうでしょうか?の4枚使いです。この場合副露していないので槓子になりません。仮に副露せず槓子として機能したとしても、3面子1雀頭となってしまいます。麻雀の基本の和了形は4面子1雀頭なので、どちらにせよ和了の条件を満たせていないことになります。
逆に、副露していないが2セットあるので、二盃口が成立することになります。上の牌姿の場合タンヤオ・二盃口の4翻が確定していることになりますね。また、刻子系の役で見れば、タンヤオ・三暗刻の3翻が確定していますがこの場合、高得点法で必ずタンヤオ・二盃口の4翻が必ず採用されることになります。
二盃口はあくまで【手牌に一盃口が2つ】が条件となるので、通常は4枚使いも成立するとするのが一般的です。
ゲリラ練習問題
下の牌姿は、東1局・親のテンパイ、多面待ちの牌姿です。和了牌とそれぞれの牌で和了した場合の点数はいくつでしょうか?答えは、牌姿をクリックORタップすると表示されます。
このようにの順子を1つ抜き出すととのシャンポン待ちが見えてくると思います。
翻数 | ツモ(1翻) タンヤオ(1翻) 三暗刻(2翻) | 4翻 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
2符 |
牌の組み合わせ | の暗刻 4符 の暗刻 4符 の暗刻 4符 |
12符 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.4翻40符 満貫12000点(4000点オール) |
翻数 | ツモ(1翻) タンヤオ(1翻) ピンフ(1翻) 二盃口(3翻) | 6翻 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
0符 |
牌の組み合わせ | 無し | 0符 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.6翻20符 跳満18000点(6000点オール) |
翻数 | ツモ(1翻) タンヤオ(1翻) 三暗刻(2翻) | 4翻 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
2符 |
牌の組み合わせ | 4符 4符 4符 |
12符 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.4翻40符 満貫12000点(4000点オール) |
たかだか20符の差ですが、4飜20符は7700点、4飜40符は満貫で12000点と実に4300点も差がでてしまうので注意しましょう。
役満と役満を含むその他の役の複合
麻雀の役で最も点数の高い役。それが役満です。役満はローカルなものを含めばかなりの数になりますが、一般的に採用されているものは、国士無双・大三元・四暗刻・小四喜・大四喜・字一色・清老頭・緑一色・九蓮宝燈・四槓子・天和・地和の12種類となり点数的には4倍満と同義で親の場合48000点・子の場合で3200点となります。
そして、役満はドラや他の下位の役とは一切複合しないという決まりがあります。具体的な例で言うと以下のような牌姿です。
当てはまる役は、役牌(白・發・中)/チャンタ/ホンイツ/三暗刻/小三元/大三元、さらに言うとドラも2つ入っていますが、このように役満という麻雀における最高位の役が入ることによって、他のすべての役やドラはカウントされません。つまり上記のような牌姿の場合、大三元の役満(4倍満)のみが採用されることになります。
例外として採用されるのことが役満どうしの複合です・・・・・
役満と役満の複合
麻雀をしていると、ダブル役満だとか、トリプル役満といったセリフを聞くことがあると思います。この言葉が意味するように【役満+役満】、【役満+役満+役満】を採用しているグループがあります。ただし先ほども説明したように、麻雀の最高位の役は役満であり、それ以上の点数の役はありません。
つまりダブル役満・トリプル役満などの役満どうしの複合はローカルルールになってくるわけですが、あまりにもメジャーなローカルルールでほとんどのグループで採用されているローカルルールとなります。
ダブル役満の点数は親の場合48000点の倍で96000点、子の場合は32000点の倍で64000点となりますが、点数が大きくなりすぎるので、2倍ではなく1.5倍(大役満)にして、親の場合で72000点、子の場合で48000点とするルールを採用している場合もあります。
特定の条件で1つの役満でダブル役満とする役
出現率の低い役満の中でも、和了するのが非常に困難な特定の条件を満たすことで1つの役満でダブル役満とするものがいくつか存在するので紹介しておきます。
国士無双十三面待ち・国士無双十三面張
国士無双は上の牌姿のように全てのヤオチューハイ(老頭牌6種と字牌7種の計13種)を各1枚手牌に揃え、その中の1種を雀頭(対子)とすることで成立する役満です。役満の中では、四暗刻や大三元のように比較的出現率の高い役となります。
通常国士無双のテンパイの形は、牌姿のように1種の対子と11種類のヤオチューハイが揃った状態で、揃っていない13種目のヤオチューハイを構えるのが一般的ですが、ごくごく稀にヤオチューハイの対子が一切そろわずに13種のヤオチューハイが各1枚揃う形になるケースがあります。
これが、国士無双の13面張となりダブル役満とする場合があります。待ち牌は見ての通り13種のヤオチューハイ。理論的には最大で13種×各3枚で待ち牌の最大数は39枚となり、麻雀の待ちで最も和了牌が多い多面張となります。
また、国士無双13面張ではない、通常の国士無双での和了形になった場合、和了を宣言せずに対子を切り崩して強引に国士無双13面張に持もっていく手法もあります。この際フリテンになってしまうので、通常出上がりはできなくまりますが、和了牌が13種もあるので、テンパイするタイミングが早ければ、十分ツモ上がりを狙うことができます。
グループにもよりますが、フリテン国士無双13面張であっても切り捨てた現物以外のヤオチューハイであれば出上がり(ロン)ができるとするルールを採用しているグループや、他家が和了牌を暗槓をした場合、槍槓(チャンカン)することを可としその牌での和了できるローカルルールを採用しているグループもあります。
- 国士無双13面張はダブル役満とする場合がある
- 現物以外の捨て牌が和了牌であれば、フリテンであってもロンできる場合がある
- 和了牌が暗槓されればチャンカンで和了できる場合がある
四暗刻単騎待ち・スッタン
四暗刻はその名の通り4つの暗刻と雀頭が1つで成立する役満となります。4つの暗刻が条件なので副露して明刻ができた時点で役満は成立しなくなります。四暗刻は国士無双や大三元同様に役満の中では比較的出現率が高い役となります。
待ちの形は上の牌姿のようにシャンポン待ちになることが多く、その場合ツモ上がりしないと四暗刻は成立しません。シャンポン待ちの出上がりは、暗刻ではなく明刻扱いになってしまうからです。そのため出上がりの場合は四暗刻ではなく、三暗刻+トイトイの満貫止まりと実に点数に4倍もの差が出てしまいます。
そして稀に4つの暗刻が確定した状態で雀頭(対子)を和了牌として構える場合があります。これが【四暗刻単騎待ち】と言い出現率の低さからダブル役満とする場合があります。その際、ツモ上がりのみをダブル役満とする場合と、ロンあがりでもダブル役満とする場合があり事前の確認が必要です。
- シャンポン待ちはツモ上がりのみが四暗刻。出上がりは三暗刻+トイトイの満貫
- 四暗刻単騎待ちはダブル役満とする場合がある
- ただし、四暗刻単騎待ちでも出上がりはダブル役満としない場合がある
大七星(ダイチセイ)
大七星は字一色の特殊型でダブル役満とする場合があります。その前に簡単に字一色のおさらいから。
字一色はその名の通り、手牌に数牌を一切含まず、字牌のみで和了する形の役満となります。数牌を含まないので、和了形は基本的に刻子が4つのトイトイ形となります。四暗刻と違い、暗刻になっている必要はないので副露しても字一色は成立します。そしてもう一つの和了形が字一色の七対子形です。
字牌は、の7種あるため、理論的に字一色の七対子形で和了することが可能です。
役満と下位の役は複合しないので、七対子と字一色が複合することはありません。この場合通常の役満(字一色)となるのですが、トイトイ形とは違い七対子形は7種全ての字牌を揃えないといけないのと、七対子の特性上メンゼンで揃えないといけません。
そのため、トイトイ形と比べ圧倒的に出現率の低い七対子型の字一色をダブル役満とする場合があります。ちなみにこの字一色の七対子形を大七星(ダイチセイ)七福星(シチフクセイ)字牌七対子(ジハイチートイツ)と呼んだりします。
四喜和(スーシーホー)
麻雀の基本和了形は4面子1雀頭の全5ブロックに分類されます。四喜和はこの5ブロックのうちの4ブロックに風牌つまり、が含まれていることで成立する役満です。のこりの1ブロックは数牌や他の字牌でも可で、メンゼン役ではないので、副露しても役満は成立します。
そして四喜和は2種類のタイプがあります。まずは上の牌姿のように1種の風牌が雀頭になるケースです。つまり残り1ブロックは順子にすることも可能で両面待ちの良型テンパイで構えることができる場合があります。このように1種の風牌が雀頭になる四喜和を小四喜(ショウスーシー)と呼びます。
そしてもう一つのタイプが、風牌4種全てが刻子になるタイプで、このタイプを大四喜(ダイスーシー)と呼びダブル役満とする場合があります。当然ですが小四喜と比べ、風牌全てを刻子にする必要があるため、出現率は圧倒的に低くなります。
余談になりますが、大四喜は包、つまり責任払い適用役となるため、風牌が3種副露されている状態で4種目の風牌を鳴かせてしまうと、4種目を副露させたプレイヤーに包が適用されます。
この場合、大四喜をツモ上がりされれば、4種目の風牌を副露させてしまったプレイヤーが全ての点数を支払うことになり、他家が振り込んでしまった場合は、包適用者との折半で点数を支払うことになります。
四槓子(スーカンツ)
四槓子はその名前の通り、4つの槓子+雀頭で構成される役満。槓子は暗槓・明槓のどちらか、もしくは複合でも役満は成立します。待ちの形は全ての面子を全て副露しないといけないので、必然的に単騎待ちとなります。
牌構成は単純明快ですが、一人で4回ものカンが必要なのに加えて、4回目のカンを宣言する前に他家が1回でもカンを宣言していると、嶺上牌がなくなり、四開槓と呼ばれる途中流局が採用されるため、理論上四槓子の可能性がゼロになってしまいます。
また、なんとかテンパイまでたどり着いたとしても単騎待ちは和了牌が最大で3枚の愚形となり、他家からも最警戒され放銃は期待できません。そのため、他の役が特定の条件を満たした場合のみにダブル役満を採用しているのに対して、その和了率の低さから四槓子に限っては、特定の条件なしでダブル役満を採用している場合があります。
また、四槓子にも大四喜の時同様に責任払いの包(パオ)が適用されます。3つの槓子が晒された状態で4つ目の槓子を副露させてしまうと、パオが適用され四槓子がツモ上がりで和了された場合、4つ目の槓子を副露させたプレイヤーが全ての点数を支払う必要があります。また、他家が四槓子に放銃してしまった場合、4つ目の槓子を鳴かせたしまったプレイヤーと折半で点数を支払うことになります。
純正九蓮宝燈(ジュンセイチューレンポウトウ)
九蓮宝燈はメンゼンチンイツの特殊計で和了形が必ずの形になる必要があります。〇には、~のいづれかが入ります。具体的には以下のような牌姿です。
このような牌姿の場合待ちは、の5面張となるわけですが、この場合が出ないと役満にはなりません。
そして、上の牌姿のようなテンンパイ形で和了した場合を純正九蓮宝燈と呼びダブル役満とする場合があります。待ち牌は最大でとが各1枚の計2枚、そして~が各3枚で計21枚、理論上最大で23枚の待ち牌があることになります。これは麻雀の待ちの形で国士無双13面張に次ぎ2番目待ち牌が多い形となります。
ちなみに純正九蓮宝燈は九蓮宝燈9面張とも呼ばれ、1~9の全ての数牌が待ち牌になるため、河に1枚でも同種の数牌が切られていればフリテンとなりますが、仮にテンパイまでたどり着けたとすれば、1~9の全ての数牌が待ちに牌になるため、ツモあがりできる可能性は非常に高いと言えます。もちろんフリテンなので出あがり(ロン)はできません。
複数の役満の複合
役満は刻子系の物がが多く複合できるものが多く存在します。役満自体出現率が極めて低いので複数の役満が複合することはほぼありませんが、その中でも比較的出現率の高い役満の複合を2つピックアップして紹介しておきます。
大三元+字一色のダブル役満
上の牌姿は大三元と字一色のダブル役満テンパイの牌姿です。大三元は三元牌、つまりを刻子にすることで、字一色は全ての面子と雀頭をを字牌で構成することで成立する役満となります。
待ち牌は、とです。を引くと、字一色のみのシングル役満ですが、が出れば大三元+字一色のダブル役満成立です。
どちらの役満も副露しても成立するので、ダブル役満の中では比較的出現率の高い(でませんが・・・・)ダブル役満と言えます。
大三元+四暗刻のダブル役満
上の牌姿は大三元と四暗刻のダブル役満テンパイの牌姿です。【大三元+字一色】のダブル役満の時とは違い、四暗刻はその名の通り暗刻(メンゼン)役になるので、副露するとダブル役満は成立しません。牌姿での待ち牌はとのシャンポン待ちとなります。
ゲリラ練習問題
ではここで唐突ですが、練習問題です。上の牌姿はダブル役満のテンパイではありますが、上がり方によってはダブル役満にはなりません。とそれぞれツモあがりした時と、であがり(ロン)の時の翻数と点数はいくらでしょうか?回答下記の牌姿をタップORクリックすると表示されます。
16000点オール
翻数 | ツモ(1翻) トイトイ(2翻) 三暗刻(2翻) 小三元(4翻)等と重複しますが、 役満は下位の役と複合しないため、役満のみが採用されます。 |
役満 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
2符 |
牌の組み合わせ | の暗刻 8符 の暗刻 4符 の雀頭 2符 の暗刻 8符 の暗刻 8符 |
32符 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.四暗刻(役満)48000点 16000点オール |
8000点オール
翻数 | トイトイ(2翻) 三暗刻(2翻) 小三元(4翻) | 8翻 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
2符 |
牌の組み合わせ | の明刻 4符 の暗刻 4符 の雀頭 2符 の暗刻 8符 の暗刻 8符 |
24符 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.倍満24000点 8000点オール |
32000点オール
翻数 | 大三元(役満) 四暗刻(役満) | ダブル役満 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
2符 |
牌の組み合わせ | の暗刻 4符 の暗刻 8符 の暗刻 8符 の暗刻 8符 |
28符 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.大三元+四暗刻(ダブル役満)96000点 32000点オール |
16000点オール
翻数 | 大三元(役満) | 役満 |
---|---|---|
副底 | あがると必ず付く20符 | 20符 |
あがり方 | メンゼンロンで10符/ツモで2符 ※例外としてピンフ+ツモの形の場合、ツモ点である2符は付かない |
10符 |
牌の組み合わせ | の暗刻 4符 の明刻 4符 の暗刻 8符 の暗刻 8符 |
24 |
待ちの形 | シャンポン待ち | 0符 |
答え.大三元(役満)48000点 16000点オール |
とんでもない役満の複合
最後にとんでもない役満の複合を紹介しておきます。これは、どのローカルルールを採用するかによって変化しますが、仮にこんな牌姿で和了してしまうと、逆に不吉なことが起こるかもしれません。
いろいろなローカルルールを採用して、
大四喜 (ダブル役満)
四槓子 (ダブル役満)
四暗刻単騎待ち(ダブル役満)
字一色 (役満)
7倍役満・・・・ここに8回連続で和了することで成立する八連荘(ローカルの役満)を入れると8倍役満となり親であれば、48000点×8倍で384000点という、およそ麻雀の点数とは思えない点数が出てしまいます。出現率は完全な0%ではありませんが、限りなく0%近い数字ということしか言えないですね。