前回の、【面子一歩手前、牌2枚の時の牌効率】に引き続き、搭子(ターツ)・対子(トイツ)シリーズです。今回は搭子と対子が重なることで出来上がる面子崩れ、牌3枚の時の牌効率を見ていきます。ここで紹介するパーターンの牌姿も実践で頻繁に遭遇するのできっちりマスターしていきましょう。
「搭子と対子って??」という方は、【対子(トイツ)と搭子(ターツ)について】で簡単に紹介していますので、そちらを確認してみてください。
搭子(ターツ)と対子(トイツ)の重なり。牌3枚の時の牌効率-もくじ
搭子と対子が重なった時の(3枚)牌効率の考え方
例えば、という手牌、【対子+リャンメンターツ】の複合があった場合、これを面子にするには、どの数牌が入れば良いかを考えていきます。に有効牌が1枚入って面子になるパターンは全部で3種類です。
の手牌にが入って切りで
の手牌にが入って切りで
最後は、の手牌にが入って切りでとなります。
つまりこの場合は受け入れ牌が×4枚 ×4枚 ×2枚 の計10枚ということになります。
リャンメンターツと対子(トイツ)が複合することで、リャンメンターツの受け入れ8枚を超える受け入れの広さになりました。では他の搭子と対子の複合も確認していきましょう。
ペンターツ+対子の3枚から見る牌効率
ペンターツ+対子が重なるパターンは、1種の数牌に付き4種。数牌は3種(ワンズ・ピンズ・ソウズ)あるので全部で12種のパターンが存在することになります。
手牌 | 受け入れ牌 | 合計枚数 |
---|---|---|
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×3枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 |
ペンターツはリャンメンターツへの変化も期待できず、受け入れもたったの4枚と最も愚形と呼ばれる形の1つになる訳ですが、ここに対子が加わることで受け入れ牌が1.5倍の6枚に変化します。
カンターツ+対子の3枚から見る牌効率
カンターツ+対子が3枚で複合するパターンは、1種の数牌につき14種。数牌は3種(ワンズ・ピンズ・ソウズ)あるので全部で42種類のパターンが存在することになります。結果を先に言っておくと受け入れの枚数は、【ペンターツ+対子】の時と同様に6枚となります。
ただし【ペンターツ+対子】の時とは違い、【カンターツ+対子】の場合は、有効牌を引き当てると、【リャンメンターツ+対子】への複合への変化、もしくは、複合が解除された【リャンメンターツ+対子】への変化が期待できるため、【ペンターツ+対子】の複合よりも優位性が高い牌構成と言えます。
具体的にを例にあげて確認しておきます。例えば・・・
の牌姿にをツモってを切るとの刻子が完成します。
そして、の牌姿にをツモッてを切るとの順子が完成します。
この辺りの動きは【ペンターツ+対子】と同じですね。ここからが【ペンターツ+対子】にはない【カンターツ+対子】のメリットです。
の牌姿にをツモってを切るとの牌姿になります。
この牌姿は後述で詳しく紹介していきますが、等の【リャンメンターツ+対子】は超良形で受け入れ牌が最大で10枚にもなります。つまり【カンターツ+対子】の受け入れ数6枚の約1.6倍増しの受け入れ枚数になるわけです。
またの牌姿にが加われば複合ではありませんが【+】の良形ができあがります。この形は雀頭(対子)を確定させたリャンメンターツで受け入れ牌最大8枚と考えることができます。
では、【カンターツ+対子】全14種類を確認していきましょう。以下のリストが3枚の【カンターツ+対子】の全リストとそれに対応する受け入れ牌となります。
手牌 | 受け入れ牌 | 合計枚数 |
---|---|---|
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 | |
×2枚 ×4枚 | 計6枚 | |
×4枚 ×2枚 | 計6枚 |
リャンメンターツ+対子の3枚から見る牌効率
最後に紹介していくのが【リャンメンターツ+対子】の3枚の複合です。【リャンメンターツ+対子】の形は数牌1種につき、12のパターンがあるので、数牌3種で計36のパターンがあることになります。
この牌姿は【カンターツ+対子】【ペンターツ+対子】を含め3枚の複合で最も受け入れ牌数が多い良形で、受け入れ牌数は最大で10枚にもなります。
具体的にを例にあげて確認しておきます。
の牌姿にをツモれば、を切っての順子が完成します。
次にの牌姿にをツモれば、を切って、の刻子が完成します。
最後に、の牌姿にをツモれば、を切って、の順子が完成することになります。
残りの11種は以下の表にまとめています。
手牌 | 受け入れ牌 | 合計枚数 |
---|---|---|
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×5枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 | |
×4枚 ×2枚 ×4枚 | 計10枚 |
【リャンメンターツ+対子】と【またぎスジ】
【リャンメンターツ+対子】は受け入れ牌が最大で10枚にもなる非常に良い形になります。もちろんこれは自分自身だけではなく当然他家にも言えることです。そこで【リャンメンターツ+対子】の形から他家の危険牌を推測する一つの方法を紹介しておきます。それが【またぎスジ】です。
【またぎスジ】とはその名の通り、捨て牌をまたぐスジの事を言い、例えば他家がを切り捨てていれば、それをまたぐスジである、とのいづれかが危険かも知れないと推察するものです。
【またぎスジ】が危険牌になるメカニズム
【リャンメンターツ+対子】の形は受け入れ牌が最大で10枚にもなる良形ですが、局終盤まで面子にならず【リャンメンターツ+対子】に残る場合や、もちろん手役が煮詰まってから【リャンメンターツ+対子】ができあがる場合もあります。例えば以下の牌姿・・・
この手は、もしくは、のいずれかが入れば、テンパイになるわけですが、先にのいずれかが入った場合、テンパイで構えるには、
切りののシャンポン待ちか・・・・
切りののリャンメン待ちになります。
シャンポン待ちは和了牌が4枚に対してリャンメン待ちは和了牌が8枚になるため、特別な理由がないかぎりリャンメンに構えることになります。つまり、切りの待ち。またぎスジの完成です。
ただし、これは非常に都合の良い解釈で、そもそも【リャンメンターツ+対子】が手牌に入っていない場合や、が完全孤立牌など、またぎスジになっていない別の要因は無数に考えられます。あくまで、仕組みの1つとして念頭に置いておくと良いでしょう。
またぎスジ以外にも危険牌を推測する【裏スジ】や【間4軒(あいだよんけん)】、逆に安全牌を予測する方法を記事にしているので、そちらの方も是非参考にてみてください。
搭子(ターツ)と対子(トイツ)の重なり。牌3枚の時の牌効率-まとめ
対子が複合していない、純粋な搭子の受け入れは、以下の通りでした。
手牌 | 受け入れ枚数 | 優位性 |
---|---|---|
リャンメンターツ ・ |
8枚 | 高い |
カンターツ ・ |
4枚 | ↓ |
ペンターツ ・ |
4枚 | 低い |
そして、ここに対子が加わり【搭子+対子】の3枚の複合になると受け入れ牌の枚数は以下のようになります。
手牌 | 受け入れ枚数 | 優位性 |
---|---|---|
リャンメンターツ+対子 ・ |
10枚 | 高い |
カンターツ+対子 ・ |
6枚 | ↓ |
ペンターツ+対子 ・ |
6枚 | 低い |
まとめると・・・・・
手牌 | 受け入れ枚数 | 優位性 |
---|---|---|
リャンメンターツ+対子 ・ |
10枚 | 高い |
リャンメンターツ ・ |
8枚 | ↓ |
カンターツ+対子 ・ |
6枚 | ↓ |
ペンターツ+対子 ・ |
6枚 | ↓ |
カンターツ ・ |
4枚 | ↓ |
ペンターツ ・ |
4枚 | 低い |
受け入れが良くないペンターツやカンターツも、対子が加わることで良くなることがわかると思います。
麻雀を始めたばかりの方には「七対子を狙っている訳でもないのに、2つも3つも対子はいらない・・・」と対子をすぐに切り崩す打ち方をする人がいますが、良く周りの牌を観察してみてください。
【搭子+対子】の3枚の複合はありませんか?もしあれば、それは複合していないカンターツやペンターツよりも優位性の高い牌姿となります。次の項では【搭子+刻子(コーツ)】の牌効率を確認していきたいと思います。