ここでは、鳴きのルールやタイミング・コツ・そしてメリット、デメリットについて詳しく見ていきたいと思います。鳴きを極端に嫌うプレイヤーもいますが、鳴きは麻雀で勝率をUPさせるためにとても重要な要素となるので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
鳴きのルール【ポン・チー・カン】もくじ
そのそも「鳴き」とは?
鳴きとは他のプレイヤーの打牌を取得して面子(順子・刻子・槓子)をつくることを言い、「鳴く・食う・晒す」など言い方は様々ですが正式には副露(フーロ)と呼びます。ちなみに、全く鳴いていない状態の手牌のことを門前(メンゼン)といってメンゼンで和了(あがり)牌をツモると【メンゼンツモ】という1翻の役が付きます。
鳴きのルールと種類
「鳴き」は大きく分けて【ポン・チー・カン】の3種類あり、さらにカンは【暗槓・明槓】の2種類に分かれ、その中でも明槓は【大明槓と加槓】に分かれます。後ほど詳しく紹介していきますが、他家の打牌に頼らず成立させた暗槓は副露扱いにならないので、メンゼンは崩れないものとします。
ポン
ポンとは手牌に対子がある状態で他家が対子と同じ牌を場に捨てると、これを取得して刻子を作ることを言います。このように他家の捨て牌を利用してできた刻子を明刻子と呼びます。ポンのルールは以下の通りです。
ポンをする時のルール
- 既に対子が(全く同じ牌が2つ)あることが最低条件。
- 他家が自身が持っている対子牌と同じ牌を捨てたら、「ポン」と発声。
- 自身が持っている対子牌と他家の捨て牌を明刻子として場に晒します。この時、上家からポンをしたら明刻子の一番左側の牌を横向きに置き、対面からポンをしたら真ん中の牌を横向きに置き、下家からポンをしたら、右側の牌を横向きにして置きます。これは誰から鳴いたかわかりやすするためです。
- ポンをすることによって、手配が1枚多くなっているので不要牌を打牌します。
また、ポンを宣言したら、次の摸打(自摸と打牌)はポンしたプレイヤーの下家に移ります。通常摸打(自摸と打牌)の順番は東家⇒南家⇒西家⇒北家そして再び東家に戻ります。ですが、ポンを含め副露をすると次の摸打は下家に移るので、例えば西家の捨て牌を南家がポンをすると、北家と東家の摸打の番を飛ばして再び西家の摸打となるわけです。
チー
手牌に順子(シュンツ)一歩手前の搭子(ターツ)がある状態で上家の打牌から残り一枚の牌を取得して順子を作る行為をチーと言います。こうして上家から数牌を取得してできた順子を明順子と呼びます。チーのルールは以下の通りです。
チーをする時のルール
- すでに、ペンターツ・カンターツ・リャンメンターツがあることが条件
- 上家から順子に必要な牌が打牌されたら、「チー!!」と発声。「ポン」とは違いチーができるのは上家からのみとなります。
- 自身が持っているターツと上家の打牌で完成された明順子を場に晒してます。晒し方は、上家から取り入れた牌を一番左に横向きに置きます。
- チーをすることによって、手牌が1枚多くなっているので不要牌を打牌します。
ポンの時とは違い、チーは上家のみからしかできないため、摸打の順番が飛んだりすることはありません。ちなみにチーはポンやカンと比べると優先度が低い為、ポンやカンと同時に宣言された場合はポンやカンを優先させるのが一般的なルールとなっています。
ただ、ルール決め次第ではあるのですが、発声順つまり早い者勝ちを採用しているグーループもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
カン
カンとは刻子の3枚にプラス1枚同じ牌を加えた全く同じ牌4枚で構成された面子となり、上でも少し触れていますが、カンは、【暗槓と明槓】に分かれさらに明槓は【大明槓と加槓】に分かれます。ポンやチーとは違い4枚で1面子となるため、他の副露とは違う動きが必要になってきます。では順を追ってみていきたいと思います。
【暗槓と明槓】
繰り返しになりますがカンは暗槓と明槓に大別することができます。簡単に説明すると、副露せずに出来た槓子を暗槓、逆に副露をしてできた槓子は明槓となります。
暗槓
上で説明している通り暗槓は副露せずに構成された槓子、つまり自力(配牌+摸打のみ)で同じ牌を4枚集める必要があります。また手配に同じ牌を4枚持っているだけでは暗槓は成立せず、自力で集めた牌であっても、カンを宣言して場に晒すことにより、暗槓子として成立します。その際、明槓子と区別するために、両端の2つの牌、もしくは中央の2つの牌どちらかを裏返しにするのがルールとなっています。
また、暗槓子は他家の打牌を使用していないのでメンゼンは崩れておらず、鳴きの中で唯一副露扱いにならない面子となります。
明槓
明槓は暗槓とは違い、他家の打牌が含まれる槓子のことを指します。具体的には既に刻子ができている状態で他家が同種の4枚目を打牌した時に宣言できる大明槓。そしてポンを宣言後に同じ牌の4枚目を加える小明槓(=加槓)があります。
小明槓をする場合、追加で晒す牌が他家の和了牌なら 搶槓(チャンカン)と呼ばれる1飜の役が付きロンされるので注意が必要です。また、チャンカンでロンをできる側はリーチをかけていると見逃しによるフリテンとなってしまうので、こちらも注意が必要です。
カンをする時のルール
- すでに、同じ牌が4枚(⇒暗槓)もしくは刻子(⇒明槓)があることが条件。
- 上記を満たしていてカンをする場合は「カン!!」と発声してカンを宣言します。
- 槓子を自家の右端に移動させて場に晒します。※晒し方は上記のイラストを参照お願いします。
- カンをすると、手配から1枚牌が足りなくなるので、嶺上牌から1枚牌を補充。
- 不要な牌を打牌。
※カンドラの表示は暗槓の場合は打牌の前、明槓の場合は打牌の後となります。
※ワンパイは常に14枚にしておくのが麻雀のルール。嶺上牌の取得によりワンパイの枚数が少なくなると、ピーパイの最後の牌(海底牌)をワンパイとして扱うことになります。つまりカンを宣言するたびにが一つずつピーパイの最後の牌(海底牌)ずれていくことになります。
鳴きのメリットとデメリット
鳴きには「メリット」と「デメリット」があります。手牌にもよりますが、トータル的に見れば不利になることの方が多いです。特に麻雀初心者の方にはなかなか「鳴き」を使いこなすのは難しいでしょう。まずは、鳴きのメリットとデメリットをきっちり理解していきましょう。
鳴きのメリット
圧倒的に手が速くなる
これが、鳴きの一番のメリットです。他家の打牌を手配に取り入れるので圧倒的に面子の完成スピードが速くなります。
難しい役が作りやすくなる
上記と重複しますが、「清一色」「混一色」「 混全帯幺九」「 純全帯幺九」「一気通貫」「三色同順」など、メンゼン(鳴かないこと)では作り辛い役が作りやすくなります。
他家のツモ番を飛ばす
「鳴くとツモ番は鳴いた人の下家になる」というルールがあります。つまり下家の打牌を鳴くと対面と上家のツモ番を、対面の打牌を鳴くと上家のツモ番を飛ばすことができます。
一発を消す(1飜の役)
リーチ後から次の自分のツモ番までに和了すると1飜の役である「一発」が付きますが、鳴くとこの「一発」を強制的に無しにできます。
九種九牌を無効に
親の配牌時・子の第一ツモで9種類のヤオチューハイがある場合は、悪手の救済処置として九種九牌を宣言して流局させることが可能ですが、上記と同じで鳴くと下家は九種九牌を宣言できなくなります。(流局できなくなります。)
鳴きのデメリット
リーチ・一発・裏ドラが消える
タイトル通りですが、鳴くとリーチができなくなります。つまりリーチをかけることで点数が加算される可能性のある「一発」や「裏ドラ」が消失します。
役が消えたり下がったりする
メリットで紹介しましたが、鳴くと面子が圧倒的に作りやすくなります。その代償として、役が消えたり下がったりするものがいくつもあります。詳しくは別記事で紹介していますが、基本的に1飜の役は消滅、2飜以上で順子系の役は1飜下がります(食い下がり)が刻子系の役は食い下がりしないものが多いです。
手が相手に読まれやすくなる
鳴いた牌は他のプレイヤーにも見えるように晒す必要があります。つまり鳴くと手が読まれやすくなり、放銃者が表れにくくなります。(和了牌を捨ててくれなくなる。)逆に言うと鳴いた側は手によってかなり和了し辛くなります。
下の手牌は極端な例ですが、待ちはワンズ、もしくは字牌のホンイツ狙いということは想像しやすいと思います。
鳴けば鳴くほど防御力が下がる
鳴いた牌は場に晒して打牌できなくなります。つまり相手が聴牌している状況下ではこちらの打牌できる種類が少なくなっているため、放銃する可能性が高まります。
麻雀は基本的に4面子1雀頭で役を作っていくので、一人で最高4回鳴くことが可能です。4回鳴いた状態でトリプリリーチされているところを想像していただいたらわかると思いますが、打牌できる牌が2枚しかない為、放銃の可能性はかなり高いと言えるでしょう。
鳴きのタイミングとコツ
先ほど紹介したメリットとデメリットをざっと読んでいただいたらわかる通り、メリットよりデメリットの方が大きいです。特に初心者の方にはあまり「鳴き」はオススメできません。役を覚えていなくても4面子1雀頭だけ守ってリーチさえかければ、とりあえず勝負はできますが、役を覚えていない初心者がむやみに鳴くと役無しで上がることができない可能性でてきます。
そんな初心者の為に基本的な鳴きのタイミングとコツを紹介しておこうと思います。
ダブ東やダブ南(2翻)
東場・東家の【東】の刻子や槓子、また南場・南家の【南】の刻子や槓子。これだけで2翻の役が付きます。これだけでは少し攻撃力が弱いですが、ドラ牌やトイトイ、ホンイツ等の役を絡めて満貫を十分狙えます。
東場の東家の【東】や南場の南家の【南】は序盤から積極的に鳴きを狙いにいってもよいでしょう。
ドラ牌が鳴ける場合
これも積極的に鳴いて行っても良いタイミングです。鳴く前には鳴いた後に何の役で和了を狙うか決めておく必要がありますが、ドラ牌を刻子にできれば、高得点を狙いやすくなります。もちろん場にドラ牌を晒すので放銃してくれる可能性はかなり下がります。
1位を独走している場合
初心者の方はなかなか経験することが無いかと思いますが、麻雀は基本的に半荘の合計得点を競うゲームとなります。2位と圧倒的な点差ができたなら鳴きを重ねて早上がりを目指す。これも戦略の一つです。ただし役無しと放銃には十分注意する必要があります。
まとめ
麻雀で勝つために「鳴き」は重要なスキルですが、鳴くタイミングやポイントを間違えると逆に自分の首をしめてしまうかもしれません。
麻雀初心者は上記で説明したタイミングで「鳴き」に挑戦してみてください。最後に要点をまとめておくと、麻雀初心者は1位を独走している時以外は基本的に鳴かない。もし鳴くなら役が見えていて満貫程度を狙えるなら積極的に鳴いていくと良いと思います。
要は大きなリスクを抱えながら鳴いて和了1000点だと割に合わないということですね。